2023年度輔仁大学日本語学科学術シンポジウム
【川端康成没後50年シンポジウム─〈転生〉する川端康成─】
本シンポジウムは1968年日本で初めてノーベル文学賞を受賞した作家・川端康成(1899−1972)没後50年を記念して、輔仁大学日本語学科が2023年9月16日に開催するものである。
2022年は川端没後50年にあたり、日本では特別展の開催や論文集の刊行などが相次いだが、台湾も川端文学の影響を大きく受けた地域である。というのは川端のノーベル賞受賞をきっかけに台湾では爆発的な翻訳が行われ、多くの読者に読まれることで「日本」イメージの形成に大きく関わってきたからだ。台湾の現代作家・朱天心や李昂は近年、川端作品からアイディアを得たオマージュ作品を発表しているが、彼女らの文学創作はその一例である。
なお、川端没後50年の今、川端文学が日本、そして世界でどのように読まれ、さまざまな作家たちの創作の源になっていったかを問い直す試みとしては、仁平政人・原善編『〈転生〉する川端康成』(文学通信、2022・11)があるが、本書で取り上げられた作家は総勢33名に及び、松本清張や福永武彦、吉本ばなな、多和田葉子といった日本人作家の他、ガルシア=マルケスやカズオ・イシグロ、莫言といったノーベル賞作家に加え、上述の朱天心や李昂など台湾の作家も取り上げられている。
このように多くの作家に「引用」される川端文学だが、そもそも川端自身、『源氏物語』や宗祇・芭蕉など日本古典文学、仏典、美術や書、舞踊など多くの要素を自作に取り込み、「引用」の可能性を追求した作家でもある。その点からも川端文学を考えることは、日本近代文学のみならず、日本文学・文化全般を幅広く研究することにもつながる。川端没後50年の節目を迎え、日本でさまざまな角度から研究の機運が高まる今、台湾でも「川端文学の〈転生〉」(台湾での川端文学の受容から生まれる文学・文化)を問うことは大きな意義がある。方法としては、台湾での受容のあり方や比較文学・文化的アプローチ、仏典や美術との関わり、日本語教育への応用、日本歴史学からの検討などが考えられるだろう。
本シンポジウムには上述『〈転生〉する川端康成』の二人の編著者、原善氏(武蔵野大学元教授・川端文学研究会常任理事)と仁平政人氏(東北大学准教授・川端文学研究会常任理事)、同書に論考を寄せ、川端康成伝記研究第一人者の深澤晴美氏(和洋女子大学准教授・川端文学研究会常任理事)、同じく同書に論考を寄せ、「川端康成文学賞」に縁の深い作家・三浦哲郎研究で著名な原田桂氏(上武大学専任講師)等、日本からの研究者も参加を予定している。
多様な対話の生まれる場となるよう、台日双方から多くの発表者のご参加を期待している。
※申し込み期限:2023年2月19日(日曜)
※応募先:049296@mail.fju.edu.tw 輔仁大学日本語学科 坂元さおり
※添付ファイルの履歴表に要旨等書き込んでご応募ください。
(三日以内に返信がない場合は、申し訳ありませんが再度ご連絡ください。)
※採否通知は3月上旬を予定しています。
2022年度「台湾日本語教育研究」国際学術シンポジウム
【『世界』に繋がるための日本語・日本語教育】
日時:2022年11月19日(土)
場所:輔仁大学德芳外語大楼(キャンパス建物配置図‧交通アクセス)
主催:輔仁大学日本語文学科、台湾日語教育学会
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